【Blog】40歳、富士山に登る。下山と今の想い編

御殿場ルートを下り、途中で富士宮ルートに合流できるプリンスルート。帰りのバスに間に合うためには、3時間以内に富士宮登山口まで戻る必要がありました。ただ、万が一間に合わなくてもタクシーで温泉施設まで戻れば良いという考えもあったので、頑張れるだけ頑張ろうと思い、下山スタート。

ここから先、余裕なさすぎて写真一枚も撮っていませんが、幸いなことに、下山中は雲に覆われることなくずーっと晴れていたので、先のルートもはっきりわかったし、分岐もよく見えました。ストックのストラップを外して両手に持ち、最初はほんとに軽く小走り、足元の感覚が掴めてきたところで走り始めました。それでもバスに間に合うか不安で誰かに聞きたかったのですが、御殿場ルートには全然人がいなくて、ときど~きすれ違う人も外国人で、15分くらい走ったところでようやく第一日本人を発見。勇気を出して声をかけてみたら、偶然にも富士山は今年3回目(人生で3回目ではなく2024年内で3回目)という驚きの方で、それならルートにも詳しいはず!と思い尋ねてみたら「プリンスルートですよね?結構厳しいと思いますよ。頑張ってギリギリか…間に合わないかだと思います」と言われました。

マジかあああ!と思い、お礼を言って再び走り始めました。山頂から30分ほどで八合目に到着。足も痛くないし、体も軽い、呼吸も苦しくない、頭も痛くない、これなら大丈夫!と思い、水分補給だけしてすぐに出発しました。しばらく走ると【大砂走り→】という看板を発見!途中で富士宮方面に行くので、本当の大砂走りは体験できないけど、疑似体験はできるっぽかったので、実はちょっと楽しみにしていました。見たところ看板から先はほぼ砂の道になっていたので、ここでゲイターを装着。いざ!砂の道!

足首までがっつり埋まるやん!ときどき石あるやん!危ないやん!でも足止まらんやん!楽しい!という感じで一気に下り、あっという間に宝永山との分岐まで辿り着きました。本当は火口に行きたかったけど、時間がないので富士宮六合目をまっすぐ目指しました。ガマン・・・。走り続けていたらベンチがある開けたポイントがあったので、汗だくだし、一旦休憩することにしました。

途中何度もコースタイムを確認しながら頑張って走ってきて、自分の中では間に合うことになってはいたのですが、それでも本当に間に合うのか不安で、ベンチにいたおじさんに「間に合いますかね~?」と尋ねてみました。すると、「ん?ここまで1時間半で下りてきたんでしょ?だったらあと30分もあれば登山口に着きますよ~。余裕だよ!」と教えてくれて、ひと安心・・・じゃなくて、本気で泣きそうなくらい(たぶんちょっと涙溜まってた)めちゃくちゃめちゃくちゃホッとしました。おじさんありがとう!!!

おじさんのおかげで、最後は足取り軽く、無事に登山口まで戻って来ることができました。

↑いろんな感情が混ざり合って、泣きそうになりながら撮った最後の一枚です。

出発編の最初に書いた感想は、登った直後のものでした。時間が経つにつれ、さまざまなことに恵まれていたと実感し、今はまたいつか行ってもいいのかな…いや、やめとこうかな笑…という気持ちです。副業を本業にし、これからは何もかもを自分で決めていかなくてはいけないそんなタイミングで、往復8時間28分の間に、多くのことを考え、決断させてくれ、そして自分を信じる力をくれた富士山(決断は自分がするもので、させてもらうものではないけれど、ここではあえてそう書きました)。行ってよかった、登れてよかったと心から思います。また、支えてくれた方々にも心から感謝しています。どうもありがとうございました。

富士登山を会社のブログに綴るのはどうかな~と思ったのですが、記憶は薄れていくものなので、いつでもスタートを思い出せるように残しておきたくて、書いちゃいました。これにて、40歳、富士山に登る。完。

目次