
八合目を出て、これまでと同じペースで歩いていたのですが、やったら苦しい。10歩くらい歩いたら苦しくなるので、止まって深呼吸しないとキツい…。頭は痛くないし、気分も悪くありませんでしたが、すぐに息が上がるようになってしまいました。深呼吸したら元気になるけど、このペースはマズい!と思いました。
そんなとき・・・

雲が切れて山頂が見えてしまいました。
絶望。山頂、遠すぎる・・・
山頂がはっきり見えてしまったことで、この苦しさがまだまだ続くこと、バスの時間に相当追われるだろうことを実感し、自分の状況が急に怖くなり足が止まってしまいました。しかし、立ち止まっていても仕方がないため、もう一度時計を見て、自分の位置を確認して、山頂までのコースタイムを冷静に計算しました。下山するかものすごく悩んだのですが、呼吸以外にしんどさはなかったので、行けるところまで行って、タイムリミット迎えたら下りようと決め、再び登り始めました。

一人なので誰にも相談できない、すべて自分で判断しなきゃならない、それもまた不安を煽る原因のひとつだったと思います。登っている人はたくさんいるのに、とても孤独でした。寂しいという意味ではなく、恐怖に近い不安に駆られていました。

「大丈夫?私」と自問自答を繰り返しながら、どうにか九合目に到着。八合目からここまでの所要はおよそ30分でした(体感では1時間くらいかかっていました)。キツい割には意外と早く着き、ふと気付きました。「ん??あれ???九合の次って十合…ってことは山頂よね?八合目からここまで30分ってことは…あと30分頑張れば山頂やん!」すると急に元気が出ました(笑)ミネラルウォーターを1本買い、水分補給をして、いざ!山頂へ!!
すれ違う人から「本当にもう少しですよ!」や「あと少しがんばって!」という声を掛けられることが増え、ますます元気になりました。登り始めからずーっと同じくらいの歩幅で上がってきたからか、足の疲労はまったく感じず、どちらかと言えば上半身の方がズドーンと重い感じでした。

九合五勺では休憩をせずに、ノンストップで山頂を目指し、ついに鳥居が見えました。まだ登りきっていないのに、感動。何ならここに着いたときが一番やり切った感あったかもしれません。「もうすぐそこやん・・・泣」みたいな。同時にさっさとくぐってもう下りたいとも思いました。
そしてついに・・・

着いたあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
めっちゃ晴れてるやん!鳥居の前独り占めやん!超笑顔やん!最高やん!!と思いました、帰って来てから。
現地では、「二度と登らん」「マジできつい」「帰りたい」「写真だけ撮ってもう下りる!」って感じでした。そして係のおじさんの言っていたとおり、5時間15分かかりました。剣ヶ峰に行くかは登ってから決めるつもりだったので、とりあえず火口の方を見に行きました。すると、思っていたより近く「これなら行ける!」と思い、ちょっとだけ休憩して日本最高峰を目指しました。


40歳、無事、日本最高峰に立てましたー!

九合目くらいまで、ほぼ曇りときどき晴れという感じだったのに、山頂にいる間は一度も曇らず、とてもきれいな青空が広がっていました。日頃の行い?
剣ヶ峰から浅間大社に戻り、富士宮ルートを戻るか、プリンスルートで戻るかを決めなくてはいけませんでした。富士宮ルートのコースタイムは2時間ちょっと。でも、登りのときに下山者とすれ違うことが大変だったこと、岩場が多かったので急ぎたくても急ぐのが難しそうだったこと、もし高千穂峰のときと同じように倍の時間がかかってしまうとタイムアウトとなること、これらがリスクでした。一方、プリンスルートは砂地なので走ることはできるようでが、距離が長いこと、山小屋が少ないこと、何より通ってきたルートではないし登山者が少ないこと、このようなリスクがありました。
どちらにしても私にはまあまあなリスクだったのでめちゃくちゃ悩みましたが、様々なことを考慮した結果、プリンスルートで戻ることにしました。
(つづく)
