行ってきました。富士山。一人で。
年始に「40歳の節目に富士山登ったらかっこよくない?」と思いつき、少しずつ道具を揃えて行ってきました。
登頂された方の多くの方は『最高っ!』といったような感想だと思いますが、私は以下の通りです。
「誰?富士山登るとか言った人」
「は?てっぺん…あれ?無理、絶対無理」
「もう意味が分からん」
「バス絶対間に合わん…無理」
「暑いし寒いしどっちやん」
「なんでこんなに石ばっかりなん」
「私なんでここおると?」
すべて、頭の中の独り言です。下りてくるまで永遠にしゃべってました。自分と。9割文句。ここには書けないくらいほぼ文句と怒り。キレながらひたすら歩く、走る、そんな初富士山でした。ここから先は富士山の登山ワードがたくさん出てくるので、興味のない方は写真だけお楽しみいただければ幸いです。
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プライベートは基本的に一人が好きで、パーソナルスペースが広く集団行動も苦手。できれば自分のペースで物事を進めたい、甘やかされて育った典型的な長女タイプ。そんな超わがままな性格と向き合った結果、初めての富士登山は【東京発日帰りフリープラン】のツアーで行くことにしました。
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「あのですね、大雨でスバルラインが通行止めになっちゃったんですよ~。明日、明るくなって点検してからの解除になるんで~、登山口到着が朝の9時頃になるんですね~。選択肢は3つなんですが、まず、予定通り吉田ルートで登る。ただ、吉田は正味7時間弱しか時間がないので結構な健脚でもギリギリですね。二つ目はキャンセルする、三つ目は・・・料金は変わるんですが、そこはもういいんで、富士宮ルートに変更するかだけど、でもこっちもそんなに時間があるわけじゃないから慣れてる人向けですね。どうされます~?」
バス出発の3時間前にツアー会社からかかってきた電話です。富士山に登ったことのある方や登ろうとした方なら分かる内容だと思いますが、簡単に説明すると、『予定してたルートで登るのはほぼ無理だよっ!だって往復10時間くらいかかるところ7時間弱で行けないでしょ?キャンセルする?それとも別のルートで登る?ま~、こっちもそんなに時間あるわけじゃないから健脚じゃないと厳しいかもしれないけど。はい、すぐ決めて』という感じです。
吉田ルートで登るのは100%無理だとすぐに判断できましたが、富士宮ルートは標高が一番高いところからのスタートで、登る距離が短い、ただその分勾配が急なことと道が狭くてすれ違うのが大変ということくらいしか知識がなかったため、自分が登れるかどうかを瞬時に判断できませんでした。とりあえず、登山口に到着する予定の時刻と帰りの出発時刻を聞き、その間が約9時間あるとわかったので急いで手元のアプリでコースタイムを確認。6時間25分・・・2時間プラスになったとしても8時間25分、これなら行けるかもと思い、富士宮ルートへの変更をお願いしました。
電話を切って、一旦フリーズ。
ネットカフェで仮眠を取ろうと寝転がっていたのですが、眠気なんてぶっ飛び、そこから富士宮ルートについてひたすら調べる!調べる!調べる!その上で分かったのは、登りはたぶん大丈夫。ただ、下りは私がとても苦手なルートだということでした。いろんなアプリでコースタイムを見て、でもその通りになんて絶対登れないと思っていたので、山頂に着いておきたい時間と下山を開始しなきゃいけない時間を決めました。そして、下山は登ってきたルートを下るのではなく、砂の道を走れるプリンスルートで戻ることを想定しておこうと思い、YouTubeで予習!予習!予習!YouTubeありがとう!!!!
夜9時前にバスに乗り、静岡へ~。立ち寄った温泉施設でも調べ続けて、夜中の2時頃ようやく仮眠。調べ学習をして脳みそ疲れたからか熟睡。おそらくほぼノンレム睡眠。スマホのアラームが鳴って起きたら、周りの人はもう準備を始めていて「いよいよか~」という気持ちになりました。朝7時過ぎに温泉施設を出発し、1時間ほどで富士宮登山口に到着しました。いや・・・富士山でかっ!!!
どんなに登りたくても興奮しても、高地順応に30分は使うぞ!と決めていたので、予定通り登山口でのんびり準備をしていたら、係のおじさんに声を掛けられました。
「初めて来たの?ひとり?ツアー?フリーなの?だったら初めてなら絶対に5時間はかかるから、帰りのことを考えて下りておいでね。じゅうぶん気を付けて頑張って。…あんた、お金持ちだね」
緊張していたし不安だったけど、最後の一言に笑えてちょっとリラックス。どんなときでも笑うって大事ですね。何を見てお金持ちと言ってくれたのか分かりませんが、ユーモアなおじさんに見送られながら出発しました。
つづく
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